レストランを後にして、
またアトラクションへ。
食べ終わった後だし、
軽いやつにしようと思って歩いていると前方で泣いている女の子がいた。
「裕貴くん、ちょっとごめんね」
繋いでいた手を離して
女の子の所まで駆け寄る。
「どうしたの?
パパとママと離れちゃった?」
二つ結びの女の子はうんと頷いた。
「お名前は?」
「………しゃく…ら、さなださくら!」
泣きながらだったからよく聞き取れなかったけど
「あなたのお名前はさくらちゃん?」
と聞くとうんと頷いた。
「じゃぁ、俺らと一緒にパパとママ探そうな」
女の子の目線に合わせてしゃがむ裕貴くんは、見たことないような最高に優しい顔だった。
その顔を学校でしたら、
女子がすごそう。

