仙崎はそのまま東雲を 所謂、お姫様抱っこして教室から出て行った。 慣れてる手つきで東雲を持ち上げていた。 俺がずっと見ていたのに、 仙崎はそんなの視界に入れずに東雲だけを映していた。 「くっそ……」 どうしてクラスメートなのに気付かなかったんだろうか。 好きな子の体調もわからないなんて…… 片想いすら失格だ。 自分に苛立ち、 体育館には行かずに空き教室で一人さぼった。