路地裏のホテル街。
受付の人に鍵をもらい部屋に入る。
「こんな理由でラブホ使っちまうなんて…」
渉はそう言ってるけど、
あたしはそんなのどうでもいい。
「舞、もう泣いていいぞ」
頭をポンポンと撫でられ、
涙が溢れるように流れた。
「怖かったよ……っ、ぅぅっ……、渉に会いたくて、………どうしたら、いい、かわからなかっ、た…っ」
ギュッと抱き締められ、
あたしも渉を強く抱き締める。
回された腕が温かくて落ち着く。
「舞、心配すんな」
渉、優しい。
でも、
「心配、だもん……」
もしバレたら渉とはもう会えないかもしれないんだよ?
渉は……
あたしと離婚してもいいの?

