「どうして、どうしてあたしの部屋にはベッドがないんですか?」 「知らねえよ、お袋と親父の考えた作りなんだから知るわけねぇだろ。 俺だって昨日知って、今日お前の家に行く前にサラッと立ち寄っただけだ」 「…………」 「わかったら、荷物運べって」 「………はい…」 今の言葉だけは教師みたいだった。 いや、教師なんだけどさ。 とにかく荷物を運ばなければならないので、先生の案内に従って部屋に入った。