「建て前上ね……」
ポツリと呟いた後、
「そんな余裕はないなぁ。
“好き”じゃなかったら振り向かせるまでです。
ちゃんと自分を見て考えてくれるように想うことが大事ですよ?
裕貴くんは違いますか?」
優しい言い方だけど、
強さを感じた。
ドキッという心臓。
「俺は……先生と似てるけど違うとこもあります。
たとえば、自分の好きな子に好きな人や彼氏がいたら強奪する勢いでかかりますね。
先生、そんなんじゃ危ないっすよ」
こちらも一歩も譲らず。
お互い火花バチバチ。
裕貴くんの今の発言って、
要するに……
『お前から絶対に取り上げてみせる』
なんて宣戦布告をしているみたい。
もしそうだとしても、
あたしの答えは決まってる。
裕貴くんが近付けば近付くほどに
“想い”は強くなる。

