「東雲って、彼氏いなくても好きなヤツはいるでしょ?」 「え……」 「俺、わかっちゃったよ」 裕貴くんの視線の先には渉がいて、 バスガイドさんに話しかけられていた。 「修旅で絶対に振り向かせてみせるから」 真っ直ぐにあたしを見て言うもんだから、何も言い返すことができなかった。 今度は渉の視線すら感じることができないくらい、裕貴くんの目が真剣で反らすことができなかった。