プールサイドをとぼとぼと歩いていると、
「東雲?」
声をかけられた。
プールサイドにあった目線を上げれば
そこにいたのは
「裕貴くん…」
浅田 裕貴(あさだ ひろき)
同じクラスの男子で大雅と仲が良い。
身長は大雅ほどではないが、
顔が整っていて運動神経抜群。
頭も上の中くらいで、サッカー部のエースを務めている。
女子からモテモテ。
キラキラ人生を送っている一人でもある。
「東雲、一人なの?」
「うーん…、一人になってしまったみたい」
「俺もなんだよー…。
中学の友達と来てたんだけど、
アイツらのことだからナンパでもしてんのかも」
「そっか…」
「東雲さ、暇なら俺と遊ばない?」
「え……」
「だって一人とかつまんないし!!
そうと決まれば…」
「うわぁっ」
手を繋いで裕貴くんはずんずん進んでいく。
こんなところ……
もし同じクラスの女子に見られたら……

