「あ、カオルン!じゃーね!」


「うん、バイバイ」


やっぱり、カオルちゃん、
モテモテだなぁ...


「あ、あの千春先輩っ」


「うん?先輩....?って後輩ちゃんだったのか。」


「はいっ!そうなんです!」


「先輩って付けなくてもいいよ?」


「え?で、でも、千春さんは、恥ずかしいし....やっぱ、先輩がいいですっ!」


「おぅ....健気すぎて鼻血でそう....」


あ、ドアの板張られてる。


「えっと、壊しちゃ怒ります!」

「...反省してます....。

って、カオルちゃんがなんで知ってるの。
....そういえば、名前も。」


そう聞くと、秘密ですと微笑んできて、
鼻血が止まらなくなったのは言うまでもない。


コンコン

「失礼します!」


「遅いですよ。」


「...え。」


なんか、目の前で眼鏡先輩が
めっちゃ見てくるんだけど...

...超怖い!!子供が泣いちゃうレベルだよ!!


「カオルさん、千春さんのこと
分かりました?」

「はいっ!なんか先生が「千春ー!」って叫んでたので分かりました!」


「へぇ、怒られてたんですかねぇ....」


眼鏡先輩....
目が笑ってないよ。
口は笑ってるのに...



「えっと、千春先輩!生徒会に入ってくださり、ありがとうございますっ!」


「え....?私、入る気ないけど....」



「え....、僕、千春先輩と、一緒に活動出来るの、嬉しかったのに...

...ごめんなさい...。僕がちゃんと先輩の話聞いてれば良かったことですよね...。ごめんなさい...」



「あ、入るから泣かないで....」



「....交渉成立....?」


「ですね。」



確信犯だ....!!
だって、眼鏡先輩、若干笑ってるもん....!


ドカッ


「千春!!」

「あ、一夏だ。...ドア壊してるよ」

「そんなことは、なんでもいいからっ」

「よくありませんよ?」


あ、眼鏡先輩から
まがまがしいオーラでてるよ。

逃げようかな...


「千春が生徒会なら、
僕もなるっ!!」


い、一夏....眼鏡先輩のオーラを無視しただと....っ!
お主....やるな....


「....定員は、
もうそろってるのでいらないですね」

「え....入れないのかぁ....」


一夏、そんな涙目にならなくても....


「僕でも役に立てると思ったのに...」


はっ!こ、これは...!!
物凄く優しい子だっ...!!


「....入ってもいいんじゃ....?」

「....会長、これくらいは見破ってくださいよ....」


....何を?見破るって何をっ!?


「....かおるは、入ってほしいか....?」


「え?あ、僕ですか?
えっと…いいと思いますっ!」


「....千春は....?」

あ、私にも聞くのか


「うーん....ま、やる気がありそうなのでいいんじゃないですか?」


あれ、どうした、一夏よ。固まってるぞ。


「....名前呼び....?」


もの凄くぼそっと呟かれた声は
ギリギリ私の耳に届いた。


「....とりあえず、生徒会役員として認めますか....」