ありったけの力で押し返そうとするけど。 知らなかった。 シュウっていつからこんな男の子ぽくなったんだろう。 触ってわかる、がっしりした体。 ひょろひょろしてたくせに。 「夏樹?」 こんなの、わたしの知ってるシュウじゃないっ! 「シュウ、のバカ!だいっきらい!」 シュウの力が緩んだのを見計らってわたしは全力疾走で走り出す。 知らない 知らない シュウがわたしに言った言葉も。 わたしがシュウにドキドキしてしまったことも。 全部全部。 知らないんだから!