ちぇ、冷たいんだから。 わたしの顔を見る事なく、周りをキョロキョロしながら歩く。 2年だもん、そろそろ別々に学校行きたいのかな。 「夏樹?どうした?」 「ううん、なんでもない」 気のせい、だよねきっと。 わたしとシュウが通う高校は電車で一駅先にある。通勤ラッシュに揉まれて何とか改札を出て歩いて10分かかる。 大きな門に両端に桜並木が並んでいる。 この桜並木がキレイでここに入ろうと思ったんだよね。 制服も可愛いし。 「夏樹、夏樹っ!」 「あ、なに?」