「イワシの煮付けと」
「俺好きイワシ」
またこいつは。
「だから何?」
「夏樹ん家で食べる」
いつもそう。シュウは何故かわたしが晩ご飯当番のときに限って家に来るんだ。
まぁお父さんも忙しくて帰りも遅いって言ってたし。
晩ご飯わたし一人だからいいんだけど。
「あとは?」
「根菜の味噌汁、と枝豆とじゃこの炊き込みご飯、かな」
「ふーん」
何よ、その不満そうな顔は!
「文句あるの?」
「野菜が足りない」
「はい!?」
「野菜だよ。野菜も何かつけて」
野菜か。確かに野菜足りないかも。
なんだろうな、野菜、やさい、野菜
「ま、いっか」
ま、いっか!?ほんとにこいつは何を考えてるかわからないんですけど!
「一発殴ってもいい?」
「やだ。夏樹怪力だし」


