バイト先へ戻ると、また父から電話がかかって来た。『元気にやっているか?』と言う様子見の内容だった。今回、母の声は聞こえなかった。見つからないよう気をつかってくれたのかもしれない。しかしお祓いがうまくいくかどうか、検索機能がちゃんと動くか考えると心配で、頭の中がいっぱいになりロクに話さず切ってしまった。
少しの罪悪感を抱きつつ登校すると、学校は平穏な空気に包まれていた。授業が始まれば、メールが着信するたび『変な事が起こらないか』と心配したが、何事もなく昼休憩を迎えた。
昼食は、わりと仲良くしているクラスの女子四人と食べた。その後意を決し、携帯電話を手に取った。朝やろうと考えていた、お祓いしてくれる人やかかる料金を調べようと思ったのだ。
しかしいざ携帯電話を持つと、あいかわらず喉の調子が悪いので弱気になっているせいもあるが、不安でやめたくなった。
(でも、このまま何もしないではいられない。悩んでいる間に、状況は悪くなっていく一方だ。香達のためにも、覚悟を決めて調べなきゃ!)
一人になるのは怖くて、あえて教室で調べる事にした。
教室にはクラスに在籍している人数の半分以上が残っていて、おのおの仲の良い友達と談笑したり、隠し持って来た雑誌を読んだり、携帯電話をイジっていた。これから恐ろしいことが怒るかもしれないなど、少しも考えていなかった。
(迷惑かけたら、ごめんなさい…)
心の中で謝った。とても口に出しては言えなかった。
窓際の一番左端に寄ると、壁に寄りかかって一つ深呼吸した。携帯電話を両手で挟むと胸の前に持ってきて目をつぶり、『神様、私を守って下さい』とお願いした。
(さあ、やるぞ。そろそろ電池が切れる頃だ。ちゃっちゃとカタをつけなくちゃ!)
目を開けると、二つ折りになっている携帯電話を開いた。すると、電池の残量が少なくなっている事に気づいた。朝、香と話していた時はわからなかった。恐怖に耐えるのに必死で気が回らなかったようだ。
(でも、充電している暇は無い。満タンになるのに何十分もかかるから。…大丈夫。お祓いについて調べるだけだから、十分足りるはず。さっさとやろう)
少しの罪悪感を抱きつつ登校すると、学校は平穏な空気に包まれていた。授業が始まれば、メールが着信するたび『変な事が起こらないか』と心配したが、何事もなく昼休憩を迎えた。
昼食は、わりと仲良くしているクラスの女子四人と食べた。その後意を決し、携帯電話を手に取った。朝やろうと考えていた、お祓いしてくれる人やかかる料金を調べようと思ったのだ。
しかしいざ携帯電話を持つと、あいかわらず喉の調子が悪いので弱気になっているせいもあるが、不安でやめたくなった。
(でも、このまま何もしないではいられない。悩んでいる間に、状況は悪くなっていく一方だ。香達のためにも、覚悟を決めて調べなきゃ!)
一人になるのは怖くて、あえて教室で調べる事にした。
教室にはクラスに在籍している人数の半分以上が残っていて、おのおの仲の良い友達と談笑したり、隠し持って来た雑誌を読んだり、携帯電話をイジっていた。これから恐ろしいことが怒るかもしれないなど、少しも考えていなかった。
(迷惑かけたら、ごめんなさい…)
心の中で謝った。とても口に出しては言えなかった。
窓際の一番左端に寄ると、壁に寄りかかって一つ深呼吸した。携帯電話を両手で挟むと胸の前に持ってきて目をつぶり、『神様、私を守って下さい』とお願いした。
(さあ、やるぞ。そろそろ電池が切れる頃だ。ちゃっちゃとカタをつけなくちゃ!)
目を開けると、二つ折りになっている携帯電話を開いた。すると、電池の残量が少なくなっている事に気づいた。朝、香と話していた時はわからなかった。恐怖に耐えるのに必死で気が回らなかったようだ。
(でも、充電している暇は無い。満タンになるのに何十分もかかるから。…大丈夫。お祓いについて調べるだけだから、十分足りるはず。さっさとやろう)

