父と母は病弱な私になど面倒だと目もくれず、二人分の愛情を姉"ひとり"に注いできた。 私の世話をしてくれていたのは雪乃(ユキノ)さんを含めたお手伝いさんのみんなだ。 雪乃さんは私が小さい頃からいる優しいお姉さんみたいな存在だった。 姉でさえもいつも悲しそうな顔をしてこっちを見るだけで、話しかけても来ない。 私は一ノ瀬家にとっては空気のようなものだということだ。