「いつも食堂で食べられる3年生が羨ましいなぁ」

「俺も羨ましい。 今度から食堂にすっかな」

「うわー、いいなぁ3年生っ」


「ミサも来ればいいじゃん。 3年のダチ紹介するよ?」



って旬ちゃんは言うけど、先輩っていうのは やっぱり怖いもんなぁ……。



「3年になったら食堂に来るから、それまでは我慢するよー」

「そっか」

「あ、でも……こういう時間なら空いてていいかも。 頼めるメニューは限られちゃうけどね」


「じゃあ、またそのうち来るか。 うどんくらいなら奢っちゃる」

「ふふっ、ありがと」



いつもと同じように笑い合う私たち。

視線が合わさった時、旬ちゃんは『色々ごめんな』と小さく言った。

だから私も、『こっちこそごめんね』と小さく返す。


その後、中庭での謝り合戦のようにはならず、私たちは静かにご飯を食べ進めた。

それでも時々目が合って、お互いに笑い合う。



「……なんかいいな、こういうの」

「そだね。 なんか、いいね」



何がいいのかは、よくわからない。

だけどそれでも、『なんかいい』。


ふんわりと温かな空間の中で、私たちはまた静かに笑い合った。