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購買部は、体育館の横に独立して建っている。

というか、食堂の一角が購買部となっているのだ。


中庭からは目と鼻の先だから、私たちはすぐに購買部へと到着した。

……けど、ほとんど売り切れてしまっている。

昼食のピークを過ぎたところだから、仕方ないのかも……。



「食堂でなんか頼むか」

「時間、平気?」

「簡単なものなら大丈夫だろ」



ということで、食堂へと場所を移す。

昼休みが終わるまで、あと15分ほど。


食堂でご飯を食べてる人はもうほとんど居なくなり、自由に座ることが出来る。


私はかけうどん、旬ちゃんはかけそばを頼んだ。

人が少ない上に早く出来上がる品だから、すぐに完成だ。

それを受け取って、窓際の席へと移動した。



「私、食堂で食べるのって初めてかも」

「いつも弁当だもんな。まぁ、俺も滅多に来ないけど」

「ていうかさ、いつも3年生が占領してるじゃん。 そこに入ってくのは さすがに勇気がいるよー……」



旬ちゃんと晃太くん以外の3年生は、なんだかみんな怖く見えてしまう。

だから食堂にはあまり近づかないし、ここで食べたいと思ったこともなかった。



「あ、でも美味しい」

「うん、美味いな」



頼んだ物はうどんとそばだけど、つゆは基本同じ。 だから私たちは『美味しい』と同じことを思った。