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その後、いつも通りの朝の支度を終え、家を出たのは始業ベルの30分前。

いつもよりも かなり早いから、歩夢のおかげと言えばおかげなんだろうけど……なんだろう、この疲労感……。


部屋に突入してきた歩夢は、私がご飯を食べてる間に学校へ行ってしまったみたい。

玄関を開けてすぐのところに居たのは、本を読みながら立っているマーくんだけだった。



「おはよう、ミサ」

「……おはよ」

「ずいぶん疲れた顔してるね。 歩夢の目覚ましは強烈だった?」


「……うん、かなり。 毎日こんなんじゃ私 死んじゃうかも……」

「旬兄が起こす時は、そんな顔 絶対しないのにね」



マーくんは楽しそうに笑ってるけど、でも私、全然 楽しくないよ?

むしろね、最悪な目覚めだったんですよ?



「歩夢ってば、私にキスしてこようとしたんだよ? タコみたいな口してさ、無理矢理にっ」

「……そうなんだ? 歩夢が、ミサにねぇ……」

「あの馬鹿面を思い出しただけでイライラする。 あぁもうっ、学校着いたら殴ってやるんだからっ」



そう言った私を見るマーくんは、どこか困ったように微笑むだけだった。