そんな私の髪を撫で続ける旬ちゃんの目が、真っ直ぐにこっちを見つめる。



「あのさ、ミサ」

「なーにー……?」



すっかりテンションが下がってしまった私に、旬ちゃんは一呼吸置いたあとに小さく言った。



「早起きを頑張ったら、学園祭の日にご褒美あげるよ」

「……ご褒美?」

「俺1日目は忙しいけど、2日目はフリーの予定なんだ。 だから、その時にミサのワガママ聞いてやる」


「……なんでもワガママ言っちゃっていいの?」

「まぁ、出来る範囲ならな」



……食べ歩きヒャッホイ?

なんでも奢ってもらうぜヒャッホイ?



「……よし、頑張るっ!!」

「オッケー、じゃあ2日目。 約束な」

「うんっ!!」



小指と小指を曲げて絡み合わせ、私たちは笑う。

学園祭2日目のために頑張ろうっ!! と心に誓い、旬ちゃんの小指を離した。