「ミサ」
旬ちゃんが、そっと私の髪を撫でる。
「しょうがないからじゃなくて、俺だから そばに居てくれるんだよな?」
「……うん。 旬ちゃんだからこそ、私はそばに居る」
もう『しょうがない』なんて言わないよ。
だって私には、旬ちゃんが必要なんだもん。
「これから先も、毎朝ちゃーんと起こしに来てね?」
「……うん、どうしても無理な時以外は、ちゃんと行くよ」
「あっ、世界一周にも連れて行ってね? 私、なんの役にも立てないと思うけど……」
「大丈夫、ちゃんと連れてくよ。 ずっと一緒に居るって言ったんだから、当たり前だろ?」
「……うんっ」
お互いの手を握り締め、私たちは笑い合う。
旬ちゃんがそばに居て、私に笑いかけてくれる。
幸せな時間というのは、こうやって一緒に居られる時間のことなんだ。
旬ちゃんとの時間が、私の幸せなんだ。



