あ……私もそれ、覚えてる。
その公園は緑がいっぱいで、緩やかな歩道を進んでいくと、丘の上の休憩所に到着する。
歩道の反対側には長く続く階段があり、それを下りていくと原っぱになっていて、そこではよくボール遊びをしたっけ。
ボール遊びに飽きた私たちは、かくれんぼを始めたんだ。
原っぱからあまり離れないことを約束に、それぞれが草むらに隠れて。
……私は、一人で不安だったから旬ちゃんについて行ったんだ。
同じ場所に隠れて、見つからないように体を寄せ合って、旬ちゃんの手を握り締める。
旬ちゃんは嫌がることなくそばに居てくれて、『大丈夫だから』と笑っていた。
……あの時の旬ちゃんは、凄く格好良かった。
旬ちゃんが一緒なら絶対に大丈夫。 そう思えた瞬間だった。
「結局 鬼に見つかったけど、そのあとも俺らはずっと一緒に行動してたんだ」
……うん。
手を繋いだまま あちこち走って、2回目の かくれんぼ も、3回目の かくれんぼ も、私たちはずっと一緒に隠れてた。
旬ちゃんが手を繋いでくれるのが嬉しくて。
ずっとこうやって一緒に居られたらいいのに。って、思ったんだ。



