「……なんか、訳わかんなくて頭 痛くなってきた」
「うー……私も……」
「『好き』ってなんなんだ。 『初恋』ってなんなんだ……」
色々なことが頭の中を巡り、私も旬ちゃんもパンク寸前……。
二人で『うーん……』と唸ってる時に、“彼ら”は現れた。
「ほんっと、旬ちゃんもミサっちも馬鹿だねぇ」
「歩夢っ!! それに晃太くん、マーくんもっ!!」
「ヤッホー、邪魔しに来たよー」
「ちょっ……コンテストはどうしたのっ!?」
「もう終わったよー」
いつもみたいに制服を着た歩夢は、ウィッグも化粧もなく、いつも通りの顔で微笑んだ。
コンテストは終わった、って……私たちがここに来てから まだそんなに時間は経ってないのに……。
「案外進行が早くてね、今は集計待ちなんだ」
「優勝したらまた着替えて舞台に立たなくちゃいけないんだけど、集計が終わるまで30分くらいあるから来たんだよ」
「そ。 ちなみに今、体育館では3年の奴らが中心となって女装男子の写真撮影中」
晃太くんとマーくんがそれぞれ微笑みながら、コンテストのことを教えてくれた。
そっか、だからみんな ここに来たんだ……。
「でさ、旬ちゃんとミサっち」
「「うん?」」
「初恋っつーのはね、『これが初恋だ!!』って思えばそれが初恋なわけですよっ」
……え、何それ。
そんな微妙な感じの考え方でいいわけ……?



