……記憶が曖昧だから、すべて憶測での話だ。
本当は、ほんとにイヤだったから『しょうがない』と言ってたのかもしれない。 ……という結果も有り得る。
……だけど、イヤだったら今までずっと一緒には居ないと思うから……だから私は私の今の言葉を信じようと思う。
「大好きだからこそ、恥ずかしくて上手く言えなかったんだと思う。
だから私は『しょうがないなぁ』って言葉で、自分の気持ちを隠したんじゃないかな?」
「……」
「……ごめん、自分でもよくわからないの。 『本当に初恋か?』って聞かれたら、上手く答える自信はないし……初恋ならもっとこう、胸がドキドキするんじゃないかな? とも思う……」
旬ちゃんのことは昔から大好きだし、今は幼なじみ以上に好き。
それは確かなことなのに、『初恋』かどうかと聞かれると言葉に迷う。
でも、『しょうがないなぁ』の裏に隠れてるものを探すと……やっぱり『初恋』のような気もする。
旬ちゃんのことを特別だと思っていたからこそ、旬ちゃんにだけは違う言い方だったんじゃないかな?
……全然、自信はないけど……。



