幼なじみはイケメン4人組



いつも隣に居た旬ちゃんが、あの日は遠いところに居た。

もう今までみたいには話せなくなる。って思ったんだ。


……そう思った時、私は自分の気持ちに気が付いた。



「……私、旬ちゃんのことが好きなの。 好きって気付いたの。 でも、高橋さんにかなうわけがない……私が隣に居ても、旬ちゃんはあんな風には笑わないから……」



……だから『幼なじみで居よう』って決めたんだ。

『幼なじみのまま過ごしていこう』って思ったんだ。



「……なのに、どうして旬ちゃんは私に『好き』って言うの?
私と居る時よりも、高橋さんと一緒に居た方が楽しそうだったのに……」

「美玲は同じ実行委員だから、って言っただろ」

「親しそうに名前で呼び合ってるのに、それでも違うって言うの……?」


「じゃあもう名前では呼ばない。 それでいいだろ」

「『じゃあ』って……私に言われたから変えるなんて、そんなの変だよ。 私に気を遣って自分の気持ちを隠すなんて、そんなのおかしいよ……」



そう言った時、旬ちゃんは私を抱き締めていた手の力を抜いた。

私たちの間に少しだけ空間が出来て、お互いの目を見つめ合う。



「隠してないよ。 俺は何も隠してない」

「……」

「あのな、ミサ。 俺と美玲は本当になんでもないし、この先 何かが起こることもないよ」


「でも、マサくんが……高橋さんは旬ちゃんにベタ惚れ、って……」

「んなもん知るか。 アイツが勝手にそう思ってるだけだろ」



ペシッ、と軽く頭を叩かれる。

旬ちゃんは口をへの字に曲げて、どこか怒ったような顔をしていた。



「昨日会ったばかりの奴の言葉よりも、俺の言葉を信じろよ」