「本当に大丈夫なら そんな作り笑いなんかしねぇだろ、この馬鹿」

「……っ……」

「俺はお前の顔 見りゃわかるんだよ。 そんな顔で『大丈夫』って、説得力なんかねぇっつーの」



どこか怒った顔の旬ちゃんが、私の頭をバシッと叩いた。

……結構 痛い。



「……なんで叩くの……メチャクチャ痛いんですけど……」

「お前が どアホせいだ、このボケっ」

「なっ……どアホなのかボケなのか どっちかにしてよっ」


「突っ込むところ そこかよ。ほんっと馬鹿じゃねーの、アンポンタンにもほどがあるわ」

「……旬ちゃんに言われたくないからっ」

「んだとコラ」


「何よっ」



……と、何故か喧嘩に発展。

周りにはたくさんの人が居たけれど、私たちは『馬鹿』だの『アホ』だの『ボケ』だの、低レベルな言い合いを続けていた。



「旬ちゃんの馬鹿っ。 学園祭馬鹿っ」

「じゃあお前は寝坊馬鹿だっ」

「寝るのが好きなんだからいいじゃないっ」


「俺だって学園祭が好きなんだ、放っとけよ馬鹿っ」

「馬鹿馬鹿うるさいよ、この馬鹿っ」

「どっちがだよ この馬鹿女っ」



辺りが ざわざわとする中で、睨み合う私たち。

……そんな騒ぎを聞きつけてやってきたのは、晃太くん他 数名の生徒だった。