「あっ、晃太くんっ!!」



昇降口に入ろうとした時に、ちょうど靴を履き替えようとしてた晃太くんを発見した。

私を見て心底 驚いた顔をしたけれど、すぐにいつもみたいに微笑んだ。



「おはよ。 ミサがこんなに早くに来るなんて珍しいね。 ていうか、一人で起きてきたんだよね?」

「うん、頑張って早く起きたんだっ」



……まぁ、本当は目が覚めちゃっただけなんだけどね。

全然 頑張ってはいないけど、でも早く起きることが出来たのは事実。



「凄いじゃん。 歩夢と正人にミサのこと頼んだのに、まさか二人が置いてけぼりにされるなんて思ってもみなかったよ」

「あっ、もしかして私が学校来てるのを知らないで、二人が遅刻しちゃうかも?」

「その可能性もあるから、ちゃんと連絡しときな?」


「うんっ」



いつも通りの笑顔で話をする私と晃太くん。

大丈夫、いつもとおんなじだ。


いつもみたいに、私も晃太くんも笑っている。



「じゃあ女装コンテストの準備があるから、またあとでね。 何かあったらメールして」

「うん、またねー」



ひらひらと手を振る晃太くんに私も手を振り、靴を履き替えてから教室に行った。

さすがにまだ誰も来ておらず、他のクラスにも人は居ないみたい。



「……歩夢たちへの連絡は、メールよりも電話の方がいいかな?」



その方がすぐに気付くと思うし、メールを送るよりも楽ちんだ。

まずは歩夢へと電話をかける。


コール音が1回、2回……3回目の途中で相手が出た。