フラフラと空き教室の中に入り、隅のところで膝を抱えて丸くなる。

そんな私の隣に座った政宗さんは、何も言わずに私を頭を優しく撫でてくれた。



「……私、みんなと同じように過ごしていきます」

「同じ?」

「……晃太くんも歩夢もマーくんも、みんな私のことを好きって言ってくれたの。
でも私は、幼なじみ以上に思うことは出来なかった。 だけどみんな、『それでもいい』って思ってくれてるんです。
幼なじみとして、私のそばに居てくれるんです」


「だからミサちゃんも、ただの幼なじみとして旬のそばに居るの?」

「はい」



ただ幼なじみとして、今までのように旬ちゃんと笑い合う。

それでいいと思う。 ……ううん、そうするしかないと思う。



「幼なじみとしてなら、同じ景色を見ることが出来ます。 同じ空を見ることが出来るんです」



私は旬ちゃんの恋を応援していく。

私に出来るのは それだけだった。