「……」



……私は、旬ちゃんと一緒に居る時間が好きだった。


もちろん、晃太くんと過ごす時間も好き。

歩夢との時間も好き。

マーくんと一緒に過ごす時間も好きだよ。


……でも。

旬ちゃんと過ごす時間が、私は1番好きだったかもしれない。



『二人きり』を意識したことなんか無かったと思う。

ベッドでゴロゴロしてる私のそばに旬ちゃんが居るのはいつもの光景で、それを深く考えたことはない。


……旬ちゃんは当たり前のように隣に居てくれる。 私はそれが心地よかった。



一緒にハンバーグを作って食べた時も、本当に楽しかった。

ご飯を炊くのを忘れるというハプニングがあったけれど、それでも旬ちゃんは笑っていた。

だから私も笑うことが出来たし、一緒に居られるのが、幸せだったんだ……。



……そっか。

私は、旬ちゃんが好きだったんだ。



「……気付くの、遅いよ……」



胸がズキズキと痛んで、涙がボロボロと こぼれ落ちる。


歩夢の気持ちに気付かず、マーくんの気持ちにも気付かず、晃太くんの気持ちにも気付かなかった私は、自分の気持ちにも気付いていなかった。



……今頃気付いたって、もう遅いよ。


旬ちゃんは高橋さんと幸せそうに笑ってる。

私の想いは、二人の邪魔じゃん……。