「俺たちはみんな ミサの幼なじみだから、ミサに何かあった時はすぐにわかるよ。
……というか、ミサのことが好きだから、何かあった時はすぐにわかるんだと思う」

「……晃太くん……」

「俺もね、正人と同じくらいミサが好き。 そして、正人と同じように過ごそうって決めてるんだ」



同じくらい好き。

同じように過ごそうって、決めている……。


そう言った晃太くんは、私の髪を優しく撫でた。



「ミサの気持ちはわかってる。 わかってる上で『一緒に居たい』って思ってるんだよ。
恋人とかそういうのじゃなくてもさ、ミサがそばに居て 俺たちに笑いかけてくれることが嬉しいんだ。
そりゃあ、恋人としてそばに居られるなら最高だけど、人と人のカタチっていうのは、それだけじゃないと思う」



晴れ渡った空に視線を移し、晃太くんは笑う。

……高く遠い空を見つめる晃太くんは、吹き抜ける風と同じくらいの爽やかな笑顔を見せていた。



「生きている限り思想や感情は変化していくと思うけれど、それでも俺たちは一緒に居る。 一緒に居られると思うんだ。
一緒の空を見て過ごしてきた俺たちは、これから先も同じ景色を見ることが出来ると思う。
肩書きは『幼なじみ』のままだけど、一生一緒に笑っていられるのなら、それでもいいと思うんだ」