……うわ、直球……。
「わ、私は……」
ダラダラと、イヤな汗が背中を伝う。
真っ直ぐに私を見る晃太くんと、『答え』に興味津々な歩夢。
今言っちゃう? 言うしかない? 言うべき?
でもこんな場所で?
誰かに聞かれるかもしれないよ? それでも言っちゃう?
どうしよう。
どうすればいい……?
色々なことが頭を巡り、クラクラとしてくる。
あ、このまま倒れるかも……。
と、そう思った時。
「晃太兄も歩夢も、いい加減にしろ」
……晃太くんの頭をペシッと叩き、歩夢の頭をバシーンと叩いたのは、眉間にしわを寄せたマーくんだった。
「ちょ、なんで俺だけ全力で殴られなきゃいけないのー……」
「中 戻ってさっさと仕事して」
「えー、今いいところだったのに」
「……」
「うわっ、ちょ、痛い痛いっ!! ごめん ちゃんと仕事するからっ!!」
……無言のまま何度も繰り出されるチョップに、歩夢はとうとうギブアップ。
後頭部をさすり、しょぼんとしながら教室の中に戻っていった。
「……で、晃太兄」
「あ、はい……ゴメンナサイ……」
じろりと晃太くんを見るマーくんに、晃太くんは引きつった笑顔。
「ミサは明日答えを出す。 だからそれまでは静かに見守っててよ。 いい? わかった?」
「……はい、わかりました……」
「それと、コレは俺が配っとくから」
「あ、うん。 よろしくー」
コンテストのチラシを受け取ったマーくんは、相変わらず不機嫌そう。
私には何も言うことなく、そのまま教室に戻っていった。



