「キャー!」

私達が教室に着いたときはすでに遅かった。
他のクラスの女子までもが集まっていて、とても話せる状況ではなかった。

「うーわ…こりゃ無理だな。」

「うん…そうみたいね…」


それからというもの、何度も話しかけようとするたびに女子軍に潰され、そのまま放課後になってしまった。


「はぁ…一回も話せなかった…」

真美はため息をつきながらお手上げのポーズをする。

「ごめんね。私のせいで疲れちゃったよね。」

「何いってんの。友達のためなんだから。当たり前のことをしただけ。」

「ありがとう」

私は真美のこういう友達思いな所が好きなのだけど、今日ばかりは明るい気持ちにはなれなかった。

「とりあえず、今日は帰ろうか。」

「そうだね。明日話せばいいもんね。」

「そうだよ!元気出して!」

私は真美に励まされながら下駄箱に向かった。

少し前を歩く真美は、まだ私のことを気にしているみたいで申し訳なかった。


下駄箱まであと数メートルのところで、いきなり真美は立ち止まった。