「莉有!どうしたの!?」

真美は驚いて私を見た。
皆の視線が集まる。

「なっ、なんでもないよ!ちょっと目にゴミが入っちゃって。痛いから洗ってきます!」

この場に居たくなかった私は、急いで教室から出た。

「また会えた」それが嬉しくてたまらなかった。

久しぶりに見る彼は、すっかり男らしくなっていた。

「こんな再会…反則だよ」

無我夢中で走っていたから、気付けば屋上まで来てしまった。
もう涙は止まっていた。

「莉有どうしたの?」

声のする方へ振り返ると、真美息を切らしながら立っていた。

「急にいなくなっちゃうからめっちゃ心配したんだよ?」

「ごめんね…ちょっと驚いただけだから大丈夫だよ。」

「驚いたって、何が?」

「もしかして…岩本君がカッコよすぎてとか?」

「なんでそうなるのよ。違うって。」

「だよね。でもクラスの女子、皆岩本君のことカッコいいって言ってて。」

「そうなの?」

小さい頃から知ってる私ですらカッコいいと思ってしまうくらいだから、きっと他の子も思ってるはずだ。

「うん。自己紹介終わって席に着いたとたん女子に囲まれてたよ。」

「そっか…」

私が暗い顔をしたせいか、真美はまた心配そうに私を見た。

「あ、でも。岩本君、莉有が教室を出ていった後、すごいソワソワしてて、声かけられても全然聞こえてない感じだったよ?」


私のこと覚えててくれたのかな。もしそうなら…


「私、話したい!」

「急になによ。岩本君に興味もったの?」

真美は急に立ち上がった私に驚いていたけど、すぐに笑顔に戻って、私を屋上から連れ出した。

「早く行かないと、他の女子に先越されちゃうよ!」

「うん!急がなくちゃ!」

私達は彼のもとへ走った。