「こんなざわざわして、なんかあったの?」

「うちのクラスに転入生がくるんだって!」

「女子がいいなぁ」

「あんたらはただ可愛い子に来てほしいだけでしょ。」

私と真美は顔を見合わせた。

「イケメン来たりしてっ!」

「神様!私達に恋のチャンスをっ!」

「お前らなに恥ずかしいこといってんだよ。」

そう言って呆れた顔をしたのは、隣の席の前田祐吾。

「あんたには関係ないでしょっ!」

「なんだとっ!」

真美と祐吾の言い合いは毎日のこと。

「まぁ、とりあえず席着こ。」

私が言うと、二人ともまだ言い足りないようだったけど渋々席に着いた。

「しっかし、転入生はどんなやつなんだろうな。まだ男か女かも分かってねんだろ?」

「そうみたいだね。男子だったらカッコいい人が良いなぁ。」

「紫園は、やっぱりカッコいいやつが来たら…好きになるのか?」

「え?そうだなぁ…でも、結局は風人と勝磨よりカッコいい人いないし。」

私がそう言うと、祐吾は少しホッとした顔をした。