ハンバーグを半分まで食べ終えると、ハルちゃんは安心したのか、
『じゃあ…帰りますね…』
そう言うとおもむろに立ち上がった。
やだ…。
帰ってほしくない…。
俺は咄嗟にハルちゃんの腕を掴んだ。
離したくなくて…強く握りしめた。
立ち上がり、ビクッとしているハルちゃんをそのまま引き寄せ、バランスを崩したハルちゃんをきつく抱き締めた。
『まだ帰んな…。』
そう言った俺にハルちゃんは、
『でも…』
戸惑っている…。
何か言いたそうにしていた。
聞きたくない…。
俺は、
『俺は、ハルちゃんが好きだから…。』
俺は狡い…。
こう言えばハルちゃんは何も言えなくなるの分かってるのに…。


