その日以来、僕は美優に会いに行くようになった。
美優は、笑うと少しえくぼができる。
それは美雨とは違う所で、美優の可愛い所だった。

いつしか、僕と美優は付き合うようになった。

美優は、強い子だった。
一度、お父さんに暴力をふるわれたのか、ケガをして公園に来たこともあった。
そんな時でも美優は、
「大丈夫、大丈夫!」
と、えくぼをみせて笑った。
頼ってくれてもいいのにな…。
僕はそんなに頼りないのかなぁ、と少ししゅんとした。
美優はそのことを分かったのか、
「慰めて!」
と、抱きついてきた。
情けなくて、嬉しくて、少し泣いてしまった。すると美優は
「なんで泣いてるの?いやだった?」
とおろおろしながら僕の頭をポンポン、と撫でた。
「ごめ…。美優、大好きだ。」
僕は美優にキスをした。
美優はファーストキスだったのか、すごく恥ずかしがっていた。
そんな美優が僕は大好きだった。


美雨のことは、美優には言っておいたが、それで美優を嫌いになることはない、と言った。
美優は安心したように笑った。
僕自身、もう美雨には会えないと思っていた。

あの日までは。