気づけば僕は、美雨と付き合っていた。
美優とは、全く違う性格だった。
わがままで、弱かった。
でも、僕は、別れることなく付き合い続けた。
これが、美雨に対する償いだと思っていたから。
無理矢理、笑って、無理矢理、話を合わせて、無理矢理、『好きだよ』と言った。

僕は、何がしたいんだろう。

美雨は多分そんな僕に気づいていた。
でも、僕の事を嫌いになったりしなかった。
必死に僕と一緒にいた。

…僕、最低だな…。

雨がやんで、雲ひとつない空を見た。
からっぽの、僕の心のようだった。