『夢は、・・・夢は!?俺達の娘は!?どうするん?』
「だからっ・・!もう、疲れたんだって!!子育ても!!」
きっと無理に感情を押し殺していたんだろう。
桜は、堪えきれず声を張り上げた。
『ほんなら、勝手にしろや!!もう、顔もみたないわ!!お前は、母親ちゃう。・・・夢は、俺の娘や・・・二度と帰ってくんなや』
最後は、絶望と憎しみしかなかった。
「・・・っ・・・・さようなら!!」(プッツーツーツー・・・・・・
電話の切れた音がいつまでも、部屋に響いた。
・・・・・・・・・・・
夢「行ってきまーす!!」
『おお!!きばってきーや!!』
真「おはよーさん。雄吾」
こいつは、中学からの親友。平井真二
真「大きなったなぁ。夢ちゃん9歳やったけ?9年たつんやなー、あれから」
こいつは、桜が消えて俺が脱け殻みたいになっていたとき一緒に夢を育てるのを、助けてくれた。
真「いつ、言うん?夢ちゃんに本当のこと。いつまでも、かくしきれんで?」
『せやけど・・・母親がそんな薄情やとおしえたくない。だって、辛いやろ?』
「ちゃうな。知ってんねんで?9年間ずっと捜してるんやろ?お前が一番そう思いたくないから、夢ちゃんにいえんのやろ?ちゃうか?」
『ちゃう。・・・・いや・・・そうやろな・・・桜・・・』