「なぁ、桜?今日一時退院やん?せやから明日温泉行こうや!夢も休みやし」

「いいの?行きたい!!」

桜が、子供のようにはしゃいでた。

これが、俺らの最後の家族旅行なのだろう。

家に帰り、明日の予定を立てた。といっても、桜任せなのだが・・・。

「あのね、ここの温泉は体によくてね?あー!!こっちは、お肌ツルツルになるのか!!」

楽しそうにパンフレットを交互にみている。

「好きなとこ選びや?どこでもええ。なんなら、どっちも行くか?」

俺は、笑いながら聞いた。しかし。

「ダメダメ!!次行く楽しみ無くなるでしょ?」

桜の言った言葉にドキッとした。次・・・彼女の時間は、限られている。

よほど、おかしな顔をしてたのか心配させてしまったようだ。

「雄吾?・・・どうしたの?」

「なんでもないよ?ほら、どこ行くん?」