逃げるように顔を隠し、そそくさと大浴場を後にする、こけし顔の峰不二子。




あゆみと宮間さんは口をあんぐりと開けて顔を見合わせた。




「あれ、やっぱり石橋さんでしょうか…?」



「たぶんね…ていうかあんなスタイルの女なんてエリカ様しかいないでしょ」




「あの…でも…」




そうなのだ。エリカ様はこけし顔なんかではない。ハーフかクォーターかと見間違うようなはっきりとした顔立ちの超美人なはずなのだ。




「最近の、メイクの技術ってスゴイね…。エリカ様、いったい毎日メイクに何時間かけてんだろ…」




宮間さんもこれには驚いたようだ。全裸のあゆみと宮間さんはしばらくその場に立ち尽くしたあと、寒いねと言って露天風呂へと向かった。