(宮間さんと二人部屋?!よかった…!)
「嬉しいです!ありがとうございます宮間さん!」
あゆみは宮間さんに抱きつきたい気分だった。今日のバスの車内の雰囲気を見る限り、他の女性社員の人と同室で朝まで楽しくいられる自信が正直ない。
「あたしも正直、他の子とうまくやれる自信ないんだよね。合コンみたいなノリも苦手だし、せっかく温泉入ってまた化粧するような人と話合わないもん」
宮間さんは、エリカ様とその周りの女性社員をちらりと見ながらあゆみに言った。
荷物を手にバスを降りると、旅館の敷地内には美しい日本庭園が広がっていた。ロビーからは庭園が一望でき、思わず溜め息が漏れるほどの美しさである。
ざわざわと騒がしい一行に、部屋割りと夕食まで自由時間の旨が伝えられ、既に酔っ払いだらけの社員旅行本番がようやく始まったのだった。



