あゆみはふっと後ろを振り返った。宮間さんはマツさんに肩を貸したまま、眠ってしまったらしい。

ふたりが頭をこつんとくっつけあって、寄り添うようにすやすやと眠っている。




(宮間さん…かわいい…)




マツさんは口をぱっくりと開けている。ふたりともが、軽く日焼けした肌に茶色の髪、Tシャツにデニム(マツさんは黒にダメージジーンズ、宮間さんは古着っぽいパステルイエローのTシャツにスキニーデニム)というラフなスタイルで、鼻にもピアスをつけているマツさんと、左耳に2個と右耳の軟骨にもピアスが光っている宮間さんは、並んでみるとまるでペアルックのカップルのようにも見える。




(ふたりともラフなのになんかすごいおしゃれだし…。ていうかなんか…お似合いかも…)




ふたりに思わず見惚れてしまったあゆみに、笹原主任が言った。




「変な二人だろ、あの人たち。みんなあの二人は暗黙の了解で付き合ってると思ってたんだけど、そうでもないらしくてね。放っておくのが一番良いかもしれないな」