(助けるって…)
「まぁ、そういうことだから。あと半年の間にあゆみちゃんには俺の完璧なパートナーになってもらう。覚えることは山ほどあるし、厳しいけど、覚悟して」
小林があゆみの肩に手を置いて言った。
(そんなの…聞いてないよ…)
動揺するあゆみに、「大丈夫、大丈夫!」と周さんが声を掛ける。
小林は書類が山積みのデスクを指差して言った。
「とりあえず、このデスクの上にある書類を整理整頓してもらえるかな?今は書類の意味がわからなくても、そのうちわかるようになる。得意先の名前も覚えられて、一石二鳥だろ?」
あゆみははいと小さく頷いた。
本当に、大丈夫なのだろうか。半年後に、社長になるこの人のパートナーなんて、自分にできるだろうかとあゆみは思った。
現社長の周さんは、興味深そうに小林とあゆみのやり取りを眺めている。
とにかく今は、やってみるしかない。せっかく手にした正社員の椅子なのだ。部長補佐だろうが次期社長のパートナーだろうが、雑用係だろうがこの際なんだっていい。
(や…やるしかない…)
あゆみは腕捲りをして初めての仕事、デスクの整理整頓にとりかかった。



