「あ…あの…、どういうことでしょうか…?」
あゆみは周さんと小林を交互に見て、恐る恐るたずねた。
(だって、意味がわからないよ…社長の隣が自分のデスクだなんて…)
「ああ、とりあえず、デスクの片付けから始めてもらわなきゃな。散らかしたのは俺だけど、片付けたらあゆみちゃんの好きなように使ってくれていいから」
小林が、頭をかきながら言った。
(片付けなきゃいけないのはわかるけど…そうじゃなくって…)
「あ…あの…わたしの仕事って…」
なにをどうたずねていいのかわからない。あゆみは助けを求めるように周さんを見詰めた。
「この社長室は、もうすぐハヤトのものになるんだヨ。僕は事情があって半年後には中国に帰らなきゃならない」
周さんは、少し残念そうに言った。
(社長室が、小林部長のものになる…?)
「もともと、僕は社長の業務は苦手なんだ。僕はだいたい作業場にいて、今までもほとんどのことはハヤトにやってもらっていたからネ」
周さんはにこっと笑った。
「大丈夫。これからはあゆみちゃんが、ハヤトを助けてあげてネ」



