「わかったから、頭を上げなさい」
鳥谷さんがあゆみのそばに寄ってきて言った。
「やるよ。大丈夫だ。…不思議だな、あんたを見てたら、なんとかしてやらなきゃならん気がしてきちまう」
「鳥谷さん…」
あゆみは泣きそうな気持ちだった。こんなおじいさんが、自分のためになんとかしてやると言ってくれている。終わりの見えない残業を、引き受けてくれると言っている。
「わしらがやれば、九馬力なんじゃろ?」
牛島さんが笑った。相変わらず七福神みたいな笑顔だ。
「仕方ないな。あんまり年寄りをこき使うなよ」
磐田さんも笑った。「今日だけ特別だ」
「あ…ありがとうございます!!」
あゆみはまた、三人に深々と頭を下げた。



