「あゆみちゃん?大丈夫?顔色悪いよ…?今から食事だけどいける?もしかしたらかなり飲まされるかもしれないから、体調が悪いなら無理しないですぐにあたしに言うのよ?わかった?」
まるでお母さんのような口調で宮間さんが言ったので、あゆみはクスッと笑ってしまった。
「心配かけてごめんなさい。本当に大丈夫です。あー、お腹減った。早く美味しいご飯食べたいですね!」
あゆみは、頭の中に渦巻く思いを振り払って無理矢理笑顔を作り、宮間さんに向かって言った。
「わたし、今日は、飲みたい気分です!さぁ、宴会場行きましょっ!」
宮間さんはそれを聞いて少し安心したような顔をした。そしておもむろに立ち上がり、「いいぞーあゆみちゃん!その意気だ!今日は飲むぞーーー!」とガッツポーズをして見せた。
実を言うと、あゆみもお酒はわりと飲めるほうで、一気飲みさえしなければ普通の男の人に負けないくらいのペースで飲むこともできるのだ。バスの車内で飲まなかったぶん、宴会場では好きなだけ食べて飲んでやろうと内心意気込んでいた。そうでもしないと小林部長の顔を見たら、さっきのように変なことばかり考えてしまうだろう。
「飲みましょう!そして食べましょう!ね、宮間さん!」
「おうっ!では行くぞ!いざ、宴会場!」
「はいっ!どこまでもおともします!」



