「布があるから、大丈夫

これなら直接触れてない」


違う、そうじゃない。

なんでカーテンを被っているかじゃなくて

問題はなんで、私が大神くんに抱きしめられるのかだ。


「怖くない」

ふわりと抱きしめる大神くんの言葉は、なんだか落ちついた。


「優しく抱きしめれば何も感じないから」


嫌悪感はない。

だけど、感じなくないよ。

だって大神くんの温かさが布越しでも伝わってくるから。

抱きしめられてるんだって思うから。


「あり、がと」