「遅い」 びくっ! ゆっくりと教室のドアを開け ひっそり入ろうとすれば大神くんは鋭い睨みをぶつける。 次の日の放課後になって 私はちーちゃんに用事があると伝え しっかりこの教室に来たのに 大神くんには怒られた。 「キミね、一体何時だと思ってんの? ホームルームが終わってからもう 30分もたってる」 「ごめ……っ、迷ちゃって」 ドアのすぐ後ろに背中をつけ 大神くんと距離を取りながらそう言うと 彼は深いため息をついた。