ついに文化祭当日を迎えた。

「さなり!」

「ゆい!」

「私とさなりは午前だから
午後から一緒にまわろうね!」

「うん!!」


あー、ゆいと一緒にまわるの楽しみだな〜。

なんて考えていた。


「いらっしゃいませ。
ご注文はお決まりですか?」

「うお〜。
かわい〜。」

他校から来たと思われる
チャラい男の子たちの注文をとる。

「あ、あの…
ご注文は…」

「あ、俺コーヒー」

「俺は…
君注文しちゃおっかなぁ〜」

「え、あの…えっと、」

「あはは、動揺しちゃって可愛いなぁ

ねぇ、この後暇?
一緒にまわらない?」

「えっと、すみません…。」

「いーじゃん。
あ、じゃあメアド交換しよ?」

「そ、それもできないんです…
ごめんなさい。」

「チッ。
っしろくねぇーなぁ。
いーからこいって。」

強引に腕を掴まれ
廊下へ連れ出される。

助けを求めるけど
お客さんが多すぎて誰もきずいてくれない。



誰か…!!

そのときだった

「おい さなり。
仕事中だろ?」

「せ、先生!」

「すみません
お客さん。こいつ今仕事中なんで。」

男の子2人は先生に怯えて
そそくさと帰っていった。


「せ、んせ〜…。」

安心した途端
さっきの恐怖が急にこみあげてきた。

「大丈夫か?」

「う、うん…。」

「そんな男を誘うような格好してるからだろ」

「こ、これは!
すきでやってるんじゃない…もん」

「わかってる
落ち着いた?」

「ありがとう、先生。」

やっぱり先生はやさしいな。

「じゃああとちょっとで交代だぞ
がんばれ!」

ってゆってくれた。

「あ、そうだ」

「ん?」

「あ、ううん
やっぱなんでもない。」

不思議におもいながらも
私は仕事へと戻った。