一応ぎこちないけど

手を振ってみた。


すると彼は


『す き』



私にわかるように口パクで言った。


ただ私は微笑むだけだった。


──耳が赤くなったのに

村上は気づいただろうか。



村上はそのあとは

また走るのかバスケ部の人たちと

元の場所に戻った。








外だからか今日は

彼は教室には来なかった。


寂しいと思ったのは気のせい。