棗「可哀想に。 だれも信じることができなくなっているんですね。 …私も同じです。 だから────…」 ふわっ、とした感触があって。 気付いたときにはもう、抱きしめられていた。 棗「今まで本当によく頑張ってきました。 独りで、苦しかったでしょう。 もっと早くに迎えにくるべきでした、すみません。 …ただ、キミのことは誰一人忘れてなんかいませんでした。 いつも君は、愛されていましたよ。 それだけは、知っておいてください。」 その言葉に、抑えていた涙があふれた。