「あのっ!」




彼は、真っ赤な顔で私のスカートの裾を
掴んでいた




きゅん





「めっ…メアド、教えてください…」





ずきゅん




どうしよう…
めちゃめちゃかわいい…





「だめ…ですか…?」





うるうると、上目遣いにみつめてくる彼に
私のいじわるな心が芽生えた





「ぁ、ごめん。今ケータイ持ってなくて…




メアド、覚えてないんだ」





「そ、ですか…」





ケータイ持ってないなんて、うそなのに
明らかに、しゅんと肩を落とす彼
あぁ、かわいい…





「あっ、でも電話番号なら覚えてるから




それでも、いい?」





私が、そう言うと
ぱぁって花が咲いたみたいに
かわいい笑顔を見せてくれた





これが、私と彼の出会いだった。