別にあたしは好きじゃない。




ズルズルと連れていかれる香織に手を振って見送ると自分の席に着いた。


あたしの席は窓側の一番後ろ。


“八木”だからしょうがない。


はーっ。

「恋したい…。」

香織と俊也君のやり取りを見た直後だったからか、そんな一言が口からポロリとこぼれ落ちていた。



別に告白されたことがないわけじゃない。